簿記をしていてもあまり聞く勘定ではないので、実務で初めて聞く方も多いでしょう。
結論
結論から言えば、事業のお金と個人で使用するお金とを区別するために使われる勘定科目です。
1.事業と個人
何かしらの事業を行おうと思った場合でも、ちょっとした事でしたら自宅で始めることが多いでしょう。
その場合には、お財布が一つとなっていることが考えられます。
ですが、しっかりと会計を行っていく場合分けていかなければいけないのです。
事業は基本的に営利性を持ってお金を得ることを目的に行動しています。
ですから、プライベートなど遊びや生活で使ったお金というのは、営利性がないうえ事業として行なっていないので、費用(経費)としてはいけないのです。
2.事業主貸・事業主借とは
プライベートで使うお金と事業で使うお金を分類するために必要な勘定科目が事業主貸と事業主借です。
事業で行なっていると言っても、元はプライベートである個人のお金です。
ですから一緒になってしまいがちですので、現実にはお財布を分けて勘定科目で分類することにより、しっかり分別することができると言えます。
3.事業主貸・事業主借の基本的な会計処理【3選】
事業主貸・事業主借の基本的な会計処理【3選】は、以下の通りです。
3-1.プライベートで事業のお金を使った場合
先ずは、プライベートで事業のお金を使った場合
ですから、事業のお金から社会保険料を払う場合も考えられます。
そこまで公的な支払いでなくても、ちょっとなにか買う時に事業のお金しかもっていないことも想定できます。
事業での支払いではないので、費用(経費)として処理しないように注意しましょう。
借方 | 貸方 |
---|---|
事業主貸 ××× | 現金預金 ××× |
3-2.事業でプライベートのお金を使った場合
次に、事業でプライベートのお金を使った場合
プライベートで事業のお金を利用した場合とは逆です。
その場合には、事業主が借りたと言う意味の事業主借を利用して会計処理していきましょう。
借方 | 貸方 |
---|---|
現金預金 ××× | 事業主借 ××× |
3-3.期末における会計処理
最後に、期末における会計処理
ですので、特になにもしなくて良いとも考えられます。
ですが、会社における繰越利益剰余金のように、利益(または損失)は、元入金に加減算していきます。
これと同様に、事業主貸・事業主借も元入金に加減算していきます。
借方 | 貸方 |
---|---|
事業主借 ××× | 事業主貸 ××× |
元入金 ××× |
借方 | 貸方 |
---|---|
事業主借 ××× | 事業主貸 ××× |
元入金 ××× |
ただどちらが多いかにより、元入金の貸方・借方が異なるだけです。
結論:事業とプライベートは分けて会計処理しましょう
事業主貸・事業主借の基本的な会計処理【3選】
プライベートで事業のお金を使った場合
借方 | 貸方 |
---|---|
事業主貸 ××× | 現金預金 ××× |
事業でプライベートのお金を使った場合
借方 | 貸方 |
---|---|
現金預金 ××× | 事業主借 ××× |
期末における会計処理
借方 | 貸方 |
---|---|
事業主借 ××× | 事業主貸 ××× |
元入金 ××× |
借方 | 貸方 |
---|---|
事業主借 ××× | 事業主貸 ××× |
元入金 ××× |
実際に聞いたことがないだけで、知ってしまえば簡単な事業主借・事業主貸です。
では、今回は以上です♪
ご視聴ありがとうございました。