債権の回収ができないことがほぼ確実なのに債権として計上したままの状態では適正な会計処理が行われているとは言えません。
結論
結論から言えば、貸倒引当金の戻し入れは会計処理において行われる前期の貸倒引当金の戻し入れる際に利用される会計処理方法です。
1.貸倒引当金とは
貸倒引当金は、取引先の財政状態により債権の回収が困難と考えられる債権に対して計上される債権の評価勘定です。
貸倒引当金の計上は、当期以前の事象に起因して発生する将来の特定の費用又は損失であり発生可能性が高く、金額を合理的に見積もれる場合に計上します。
貸倒引当金により債権に対して貸倒引当金を控除した残高が債券の評価額と考えることが出来るのです。
2.貸倒引当金の戻し入れ
貸倒引当金の会計処理としては、借方に貸倒引当金繰入(費用)をおき、貸方に貸倒引当金(負債)を計上します。
借方 | 貸方 |
---|---|
貸倒引当金繰入 ××× | 貸倒引当金 ××× |
この際に計上される貸倒引当金は債権の評価を適切に行う為に計上する為、資産の控除項目として資産の区分に表示されます。
計上された貸倒引当金は会計処理によって分かりやすく一度消したり、前期に計上した貸倒引当金が当期に計上する貸倒引当金よりも大きい場合、その差額を収益として計上します。
これを会計処理の方法を貸倒引当金の戻し入れと言うのです。
あくまでも会計処理の方法と言う事です。
3.洗い替え法と差額補充法
貸倒引当金の計上には洗替法と差額補充法の2種類があります。
借方 | 貸方 |
---|---|
貸倒引当金繰入 100 | 貸倒引当金 100 |
3-1.洗替法
貸倒引当金の戻し入れ
借方 | 貸方 |
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貸倒引当金 100 | 貸倒引当金戻入 100 |
当期において貸倒引当金110円計上します。
貸倒引当金の繰り入れ
借方 | 貸方 |
---|---|
貸倒引当金繰入 110 | 貸倒引当金 110 |
3-2.差額補充法
前期における貸倒引当金100をそのままとして差額で貸倒引当金を計上します。
当期において貸倒引当金110円計上するとします。
この場合差額の10円を計上するのです。
貸倒引当金の繰り入れ
借方 | 貸方 |
---|---|
貸倒引当金繰入 10 | 貸倒引当金 10 |
当期において貸倒引当金90円を計上するとします。
この場合行うのは、前期の100円から10円を控除する会計処理です。
貸倒引当金の戻し入れ
借方 | 貸方 |
---|---|
貸倒引当金 10 | 貸倒引当金戻入 10 |
結論:どちらも残るのは同じ勘定と金額
つまり当期における計上額が110円とした場合には、どちらも貸倒引当金10円が計上されて貸倒引当金110円が残る結果となるのです。
では、今回は以上です♪
ご視聴ありがとうございました(^^)/